今作の主人公:タイガ・ノゾム。
キャスティングが発表された際に色々と意見があったDAIGO氏な訳ですが、思ったより違和感が無かったなぁと。
アスカの事を思うコウダやリョウに対して『世界は常に変化する。過去を振り向いていたら、進化できない!』と切り捨てたりダイナ、ウルトラマンに対して屈折した思いを持っているというのが新鮮でした。
キャラは演じるDAIGO氏を思わせる部分もありながら、その一方で子供の為に命をかける等、従来の「ウルトラ」の主人公らしさもある等ほどよいバランス感覚のあるキャラだなと観ていて思いました。
ネオフロンティアスペースでもフューチャーアースでも伝説の英雄として扱われるアスカ・シン。
あのアスカが人々の尊敬と信頼を一身に受ける頼もしい戦士として描かれているのが感慨深い。
つるの剛史さんも貫禄ある雰囲気で成長したアスカを体現しているのもグッときます。
ダイナ含め出番自体は決して多い訳ではありませんが、タイガやチームU、子供たち等、極端な事を言うとムサシとウルトラ兄弟以外の主要人物にとって重要な位置を占めている大切な人物とされていたのが印象深かったですね。
クライマックスでは苦悩するタイガに助言を与えたりとあのアスカが先輩として後輩戦士を導いているというのもやはりグッとくる訳でして。
3人目の勇者:春野ムサシ。
基本的に他の登場人物がアスカに対して何らかの想いを持っているのに対して、ムサシだけは何も持っていない。
その“場違い”感がムサシというキャラクターを他とちょっと違う、如何にも別の世界から来た人である事を強調していたかのように感じました(タイガも別の世界から来た人ですがアスカと同郷なのでムサシほど強調されている感じは無いかなと個人的には思ったので)。
ただ、ムサシの変わらない優しさは如何無く発揮されていたのは嬉しい。
女性だけの防衛隊として話題を集めたチームU。
公開前、キャスティングが発表された時から賛否両論の多かったAKB48の人達ですが、個人的な印象ではそれほど違和感なかったなぁと。
むしろ、話の雰囲気や役柄、立ち位置がマッチしていてかなり良かったと思いました。
クライマックスでもアンナが目立っていて、正にもう一方の主役と呼ぶに足る存在だったかと。
個人的にはアンナの妹のリーサが印象的。タイガをアスカと見間違えたり、『君だけを守りたい』をソロで熱唱するなど扱いがひときわ大きかったように思いました。
懐かしの面々も登場。
「ダイナ」の舞台:ネオスロンティアスペースでのスーパーGUTSの出番はちょっとだけ。
もうちょっとガッツリ絡むかなと思っていたのでそこは意外といえば意外ですが、ラストの事を思うとこれで良かったのかなとも。
とにかくアスカ記念日というのが泣ける!
そしてかつてアスカが父親であるカズマに対してそうだったように、今はスーパーGUTSがアスカを目標にアスカに追いつこうとしているのが良いですね。
一方、「コスモス」の舞台:コスモスペースでもちょっとだけ遊星ジュランでのヒトコマが。
アヤノだけでなく、リドリアスやゴルメデ達がいるのが懐かしい。
そして、そこにカオスヘッダーがいて、ムサシの息子が手を振るというのが「コスモス」最終回後の世界、「コスモス」という作品テーマを体現している様に感じられて感慨深かったです。
ちなみにムサシの息子は13年前のレッドバスター/桜田ヒロムを演じていた子ですな。
ウルトラ兄弟は本当に1シーンのみの出演というか、完全なチョイ役でしたね。
「ゼロTHE MOVIE」以上に出番がなく、怪獣兵器との絡みも全くなく、ぶっちゃけ無くても話としては成立してしまう程度の出番だったのが意外でした。
話の内容を考えると仕方ないのかもしれませんが、3Dの為にわざわざ新規で変身シーンも撮り直した等を思うとそういった部分が全く出なかったのは個人的にはちょっと残念だったかなぁと。
それだけが今作で個人的にちょっと悔いの残る部分だったですね。
いや、やっぱり3Dの大画面で激闘を繰り広げるウルトラ兄弟も観たいじゃない。ここはもう整合性だの辻褄だのとは別の思いですね。
話としては冒頭からチームUの活躍が。
で、その冒頭の活躍がクライマックスの伏線になっていたというのは感心。
アーストロンと戦うチームUの前に現れたのはウルトラマンダイナ!
ビル街の中から歩いて登場するというのが意外でしたが、ウルトラマンの持つ力強さ、重量感が発揮されていてこれはこれで悪くないなぁと思いましたね。
スフィア相手に大活躍するタイガの搭乗するガッツイーグルα号。
スフィア迎撃の際にα号が地面と垂直に空中停止したりかなりアクロバットな動きがったのには目を見張りました。
ゼロと一体化する際にα号は爆破してしまうのでやはり出番そのものは少なかったですが、久々の防衛チームの戦闘メカの活躍でかつ、今まで以上のトリッキーな動きだったので個人的にはなかなか満足でした。
後、やっぱり歴代ウルトラメカだとガッツイーグルが一番好きだ、霧月さんは(笑
アスカの声に導かれ、アナザースペースからフューチャーアースへと旅立つゼロ。
この際、アスカがゼロを名指しで指名だったのが印象的。
名指し指名だったのはゼロがいたアナザースペースと今回の舞台のフューチャーアースが近いのかひょっとしたらフューチャーアースはアナザースペースの中にあるのかなと解釈したり。
また、それだけでなく「銀河伝説」後もゼロとダイナは会っているのかもしれないのかなと想像しました。
ゼロと一体化したタイガが徹底的に変身をこばむのが新鮮。
で、そのやり取りが漫才っぽくなっていたのが観ていて楽しかったです。
ウルトラマンと一体化した相手でそういうやりとりができるのも変身前の俳優に頼らずキャラを確立できたゼロだからこそできる事だよなぁと思いました。
変身するしないのタイミングで喧嘩したり、ウルトラマンが一体化している相手に不意打ちをかけて強引に変身させる等、今までなら絶対にありえなかった事が次々と起こるのが面白い。
正直、今作だけで解消するには余りにも惜しいコンビだったと思います。
ちなみにウルトラマンと一体化した主人公が変身しなくても超人的な身体能力を持っているというのが描写されなおかつウルトラマン自身から説明されるのも珍しい。
変身を拒むタイガと子供たちの一人:タケルの前に現れたのはウルトラマンコスモス!
「コスモスVSジャスティス」から8年経ってもその慈愛の勇者っぷりは健在。
このコスモスの慈愛の勇者という立ち位置も前述するムサシの立ち位置同様、作品の中では独特だったと思います。
また、最後までモードチェンジ無しでルナモードで通したのは賛否両論あるみたいですが、個人的にはこの慈愛の勇者というキャラをコスモスに与える事で作品におけるコスモスの立ち位置と個性を確立させようとしたのかなと思いました。
コロナモードやエクリプスモードになった方が設定的には良いんでしょうが、なると今作におけるコスモス独自のものが無くなってしまうおそれがあったので(歴戦の勇者だとダイナと立ち位置が被ってしまいますし)、これはこれで良かったのかなと。
タイガの『また暴れたらどうするのか?』という疑問に対して『何度暴れてもその度におとなしくさせればいい』というムサシの答えが全てなんだろうなと。
その分、ハイパーゼットンに本気で挑みかかるルナモードの姿は新鮮でした。
ちなみにダイナが倒れ、ゼロが変身できない中、唯一人のウルトラマンとしてチームUと子供たちを孤軍奮闘する姿は胸に迫る。
タイガがムサシに対して『ムサシくぅ~ん』と呼ぶのが妙に印象に残る。
でも、これが許せるのがタイガというキャラなんでしょうね。
今回の敵:バット星人。
演じるはそのまんま東こと東国原英夫元知事。ただ、個人的にタレント活動してもそのまんま東という名をもう使わない事にちょっと違和感を覚えたり(笑
まぁ、そんな脱線話はさておき、声の芝居はエフェクトかかっていたというのを差し引いても違和感無かったなぁと。
そう思うと今作の賛否両論分かれたキャスティングは総じて成功していたと思います。
基本的にウルトラ戦士とガッツリ戦わないんだろうなぁと思っていたので、クライマックスでハイパーゼットンと合体(搭乗?)したのは意外でした。
グビラ、ゴメスと戦うコスモス。
そういえばゴメスは今作で初めてウルトラ戦士と戦う事になるのか。
タイガが変身を拒否する中、無理やり変身したが為にいつもより小さくなってしまうゼロ。
『チビトラマン』と子供たちに馬鹿にされるのがちょっと新鮮。
その際にグビラと戦うシーンもちょっとギャグが入っていたり、タイガに文句ブー垂れるゼロといつもの「ウルトラ」とちょっと毛色が違う感じだったのが楽しい。
コスモスの力で鎮まったゴメスとグビラ。
夕日の仲で和気あいあいとする2匹が描かれただけにバット星人の円盤から放たれた光線によって瞬殺されたのが衝撃でした。
コスモスの悔しさ表す芝居が余計にバット星人の非情さを際立たせる。
子供の頃、怪獣に両親を殺されていたタイガ。
それがウルトラマンに対してコンプレックスをもつ様になり、ゼロとの変身を拒むという設定に説得力をもたせていたのはなるほどなぁと。
ウルトラ戦士が知らない所で存在するウルトラ戦士が救えなかった人々と言う存在は今までも描写された事はありましたがその救えなかった人がウルトラマンの力を得るという設定はなかなか興味深い所がありましたね。
そういう背景をもつからこそ葛藤するタイガに対してそれ以前からウルトラマンだったムサシが『でも、今は君がウルトラマンだろ』と指摘するシーンも印象的。
アスカがいない状況でタイガに自分の在り様を確認させる為にムサシを出したのかなとこのシーンを観て思いました。
リーサが歌うは『君だけを守りたい』。
アスカから教わった心が折れた時に口ずさむ歌としてこの歌が使われたのは感動しました。
ハイパーゼットンの繭の中で倒れ石像と化していたダイナ。
子供たちの一人でメイン格であるタケルがその様子をその場でアンナと共に見ていたためにショックで喋れなくなったというのが重い。
やはりこのシーンは衝撃。
そして、誕生したハイパーゼットンの火球による大爆撃が重い。
この状況でも変身しないタイガ、逃げ惑うチームUと子供たち、唯一人タイガ達を守ろうとしてその身を犠牲にするコスモス。
子供たちの一人を助けたタイガがその子供の様子からトラウマがフラッシュバックして『ウルトラマン助けてくれぇーっ!!』と取り乱す様は辛かったですね…。
自分自身がウルトラマンである事を忘れて取り乱すというが余計にそう思える訳ですよ。
ゼロに責められるタイガが『これが本当の俺だーっ!!』を叫ぶシーンもそれを引きずって辛い…。
予告でも使われたこのシーンですが、もっと勇ましいシーンでの台詞だと思っていたのでこれだけ重いシーンで自分の弱さを白状する為だとは思いませんでした。
そんなタイガがチームUが実は本当の地球防衛隊で無かった事を知るという流れは上手かったなぁと。
子供たちのためにアンナがついた優しい嘘がチームU結成のきっかけだったというのが良かったです。
元は皆を守れる力の無かった者達が必死に守れるものを守ろうとする姿勢を知って、皆を守れる力を持っていたタイガがその力を受け入れるという展開もまた良かったですね。
で、陰で全てを聞いていたムサシが特に口を出さなかったのがまた良し。
『俺達を、ウルトラマンを信じろっ!!』
自ら戦う決意を固めたタイガがゼロに変身するというのが熱い。
ムサシもコスモスに変身し、2人で戦いに赴くのが燃えますね。
そういえば、今回グングンを使った変身演出があるのはコスモスだけなんですよね。完全な余談ですが。
また、この際にアンナが自分の弱さ、ダイナが負けた所を見ていた事を話すのがタイガの決意に繋がるのも良いですね。
ハイパーゼットン(ギカント)と戦うゼロとコスモス。
通常のセットとオープンセット、フルCGの組み合わせによる戦いが円谷の特撮技術の集大成といった感じ。
タケルが探し当てたのはリーフラッシャー。
ダイナの光、命の象徴としてリーフラッシャーが使われるというのが素直に嬉しい。
また、それを探し当てるのがタケルであるというのがまた素晴らしい。
ここが子供たちのドラマという点では頂点だったであろうなぁと思います。
『目覚めてーっ!!』
子供たちのドラマの頂点がリーフラッシャーを探し当てるタケルならチームUの(特にアンナの)ドラマの頂点はこのリーフラッシャーをダイナに投げるシーンだったと思います。
ここもなかなか熱いシーンだったと思います。
で、この際のアンナの台詞が上記のものだったのは「ダイナ」第3話『目覚めよ、アスカ』からかと思ったり。
ダイナ復活!!
このシーンはマジで感動しました。
で、ここでつるのさんver.の「君だけを守りたい」がBGMで使われるのは反則!(笑
劇場で泣きましたよ、この選曲は。
そこからの逆転劇が熱い。
バット星人の『何故、人類を守るのか?』という問いかけに対してゼロが『理由なんかねぇ。ずっと昔からそうしてた!』と言い返すのはグッときます。
理屈じゃなく感情のままに思いをぶつけるのがゼロらしい。
ファイナルウルティメイトゼロがハイパーゼットン(ギガント)を討つ!!
正直、使われないと思っていたのでここでファイナルウルティメイトゼロが使われるのはちょっと意外でした。
そして、ゼロの『貴様が人間の価値を語るなんて、2万年早いぜっ!!』は痺れる!!
バット星人が一体化する事で遂に現れる最強の敵:ハイパーゼットン(イマーゴ)。
瞬間移動と分身で3人のウルトラ戦士を翻弄して、圧倒する様が強敵感満載切望感満載。
3人の死力を尽くした攻撃をしてもダメージを受けず、逆にウルトラ戦士が次々と力尽きてしまう様は衝撃でした。
そして、ここでアンナも瀕死の状態になるとは…。
『結局、俺は何も守れないのかよーっ!!』
あの予告で衝撃を多数の人が受けたであろうこの台詞が違和感なくこのシーンの絶望的な空気とマッチしていた様に思います。
アンナも倒れ、ウルティメイトブレスレットも石となるという状況なので余計にヤバさが際立つ。
そんなタイガに対してかつて絶望の淵に限界の淵に立たされながらもそれを超えてきたアスカとムサシが導いていくというのが良かったです。
『本当の戦いは…』
『本当の戦いは…』
『本当の戦いは…』
『『『本当の戦いはここからだっ!!』』』
決して諦めぬ不屈の思いで立ちあがる3人が良いですね。
そして、誕生するウルトラマンサーガ。
ここの展開も熱く、かつ荘厳で良い感じ。
この際、サーガ誕生の光の力によるかの様にアンナが息を吹き返すというのが印象的。
サーガはゼロ、ダイナ、コスモスの合体戦士という事だから、幾度となく、タイガ、アスカ、ムサシの3人が描写が多かった様に思いました。
これは珍しいなとは思いましたね。
とどめの3人が無限に続くのはかなりのインパクト。
レジェンドやメビウスインフィニティーがとどめの一撃のみの登場だったのに対して今回のサーガは戦う戦う。
ハイパーゼットン(イマーゴ)と互角かそれ以上の戦いぶりを見せるのがサーガの強さが感じられて良かったです。
また、そのサーガをサポートするアンナとミサトも一緒に戦っているという雰囲気が強く出てこれはこれでアリだなと。
冒頭のアーストロンに対してチームUが行った作戦がここで伏線として見事に作用しているのは見事。
そしてここからはサーガの圧倒な訳ですが、ここで光線を使わなかったのが意外。
ただ、ハイパーゼットン(イマーゴ)を思い切り殴ってその勢いで中にいるバット星人をもぶん殴る!という絵は歴代ウルトラのとどめの中でもかなりインパクトのあるとどめだったなぁと思います。
それまでバット星人はやってきている事がやってきている事だったんでこのとどめの壮快感が素晴らしい。
ウルトラシリーズ45周年記念作第2弾として製作された「ウルトラマンサーガ」。
前作「ゼロTHE MOVIE」と比較するとそういった記念作としての色合い自体は控えめになった様に思えました。
ウルトラ兄弟の見せ場もなく、ゼロ、ダイナ、コスモスの3戦士が競演している割にはお祭り感も抑えていましたし。
ただその分、久々に地球が舞台という事もあってか、タイガとアスカを軸にした群像劇、人間ドラマとしての色合いを強く感じました。
ウルトラマンや怪獣の戦いや如何にも特撮!な部分よりもウルトラマンや怪獣、どうしようもない困難と遭遇してどういう形で向き合っていくかという事に主軸が置かれていた様に思えました。
それはタイガがウルトラマンの力に積極的でなかったり、サーガ登場後、タイガ達3人のカットが多かった事でも明白だったと思うのです。
そういう意味では作風としては「大決戦!超ウルトラ8兄弟」以前の雰囲気に戻ったのかもと。
見方によれば震災後の人々の在り様を「ウルトラマン」という作品で怪獣や侵略者という立場に置き換えた作品なのかもしれないなとも。
そう思うとチームUが(言い方はアレかもしれませんが)元は普通の人々だった女性達であるという事にも意味合いがあると思うのです。
女性達が更に非力な子供たちを守る、それはあたかも震災から立ち直ろうとする人達とダブらせようとしたのかもと。
そういう意図はラストシーンで灯りのともる東北地方を映し出すという点からも明白なのではないかと。
で、フューチャーアースに元々いる人々は女性と子供だけで異世界からくるのは3人の成人男性で全員ウルトラマンという立場。
これでウルトラ戦士の特異性がより強調された様に思います。
3人も伝説の英雄ウルトラマンダイナ、慈愛の勇者ウルトラマンコスモス、今まで以上に2人で1つを強調したウルトラマンゼロとキャラがちゃんと分かれているのが印象的でした。
特にゼロがコスモスの事を既に知っていたのがちょっと意外。
話としては前半はタイガ、ゼロ、アスカ、ムサシ、チームUとタケルをはじめとする子供たちの話が重層的に描かれているというの特徴的だったなと。
主人公が複数存在する作品は過去の「ウルトラ」映画でもありますが、それらは話の流れによりそのシーン、そのシーンで中心になる主人公格が違い、その流れが割と自然だったように感じたんですね。
それに対して、「サーガ」は重層的という言葉を先ほど使いましたが、最初バラバラでそれぞれの物語が段々と横の繋がりができはじめ…という作りが全く違うなと。
で、その数多の流れが最終的にサーガ登場でひとつの流れに収束していく様が素晴らしく熱かったですね。
今までも合体戦士はいましたが、彼らは登場した時点で既に話のピークは過ぎており、最後の切り札として使われていたのに対して、サーガはその登場そのものが話のテーマでありピークだったなと思いましたね。
だから、ぞれまでの合体戦士はほぼとどめの一撃のみの出番だけである事、ガッツリ出てこなくても別に立ち位置的にはそれはそれでひとつの正解だったんですけど、サーガはその活躍を余すところなく見せる事が作劇上の立ち位置においても必然だったんだろうなと。
そしてチームUとの協力で戦うというのが必須だったのだなと感じます(というかテーマ的に実はアンナやタケルもサーガの合体要員になってもおかしくない流れなのではないかとも観ていて思いました)。
そう思うと記念作である本作で人間とウルトラマンが対等な形で共に戦うという事が描かれたのは非常に意義深い事だと感じますね。
まぁ、だからこそサーガ登場でひとつに収束されていかないウルトラ兄弟のシーンがカットされたのは仕方ない事なのかもしれませんが…。
このドラマありきでサービスシーンを削るというやり方はサービスシーンありきでドラマの重要なシーンも削る東映作品のやり方は対照的だなと改めて思います(別にどっちが良くてどっちがダメという訳では全く無いんですが)。
平たく総括すれば色々と胸にくる良い映画でした。
特に「ダイナ」が好きな方はよりくると思います。
ちなみにEDでアスカからスーパーGUTSの隊員達へタイガの今後も含めたメッセージがあったのが良い意味で裏切られた感じ。
ここにきてメッセージという形ではありますがアスカとスーパーGUTSの仲間達の再会が描かれたのは素直にうれしかったですね。
またそれも「ダイナ」らしく前に進んでいくというテーマに沿ったものだったのが更に良かったです。
で、そのタイガがネオフロンティアスペースに帰らず、フューチャーアースに残るという選択肢を選んだのは意外でした。アスカはともかくタイガは何だかんだいって帰ると思っていたので。
でもこの選択もまたタイガにとってのネオフロンティア精神だったのかなとも思いますが。
最後にED曲の「Lost the way」が意外とヒーローソングしてて驚きました。